「夢見がちな少女の独り言」
手を つなぎたい
口づけを したい
おんぶ されたい
抱かれて みたい
電車の窓から見かける、駅の少年を
いつもの時刻に、いつもの席から、
いつもの駅の、いつもの場所に立っている
あの少年を、毎朝、眺める。
今日は、来ないのかな。
今日は、もう来てる。
今日は、一本はやいのかな。
朝の楽しみだけれど、居ない日が多いのは事実だったり。
大好きな人が、大好きな歌と重なる時、
歌は、詞となって
歌は、音となって
歌は、表情となって
あの時の想い出を、望んでもないのに、連れてくる。
頭をくっつけた事、覚えてる
2ショットを撮った事、覚えてる
メールをした事、覚えてる
フラれた時の事、今でもハッキリ覚えてる
大好きだった人が、嫌いな歌と重なる時、
歌は、感情となって
歌は、笑顔となって
歌は、涙となって
あの時の想い出を、自らわざわざ、連れてくる。
手をつないだ事、覚えてる
一緒に歩いた事、覚えてる
心配してくれてた事、覚えてる
隣の席で映画を見たこと、覚えてる
キスしそうになったときの事、嫌になるほど覚えてる
誰に喋るでもなく
貴方に語るわけでもなく
ただ、夢と恋に浸れきれずに
今日も ただ 独り言。