いつもの帰り道。交差点で信号待ちをしていたら、向こう側に、いつもの女の子を見つけた。朝は2日に1回、夕方は朝に会わなかった日に見かける。つまり、毎日見かけていることになる。
僕が彼女のことを「女の子」なんて呼ぶと、クラスの友達は気持ち悪がるだろうな。
彼女は僕を見つけると、いつも小さく手を振ってくる。他の人に、分かるか分からない程度に。でも、今日は違う。赤信号が青になっても、立ち止まったまま。僕は、彼女が泣いているのに気がついた。
信号が赤に戻ってしまうのも構わずに、僕は、交差点の向こう側で泣いている彼女の元へ走っていった。
「冬の次に」
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